- ちゅうげん
- I
ちゅうげん【中元】〔道教で, 人間贖罪(シヨクザイ)の日として神をまつった日。 上元・下元とともに三元の一〕(1)旧暦七月一五日のこと。 元来, 道教の習俗であったが, のちに仏教の盂蘭盆会(ウラボンエ)と混同され, 死者の霊を供養する。(2){(1)}の時期の贈り物。 七月の初めから一五日にかけて, 世話になった人などに贈る。 「~大売り出し」﹝季﹞秋。 《~のきまり扇や左阿弥より/山口誓子》IIちゅうげん【中原】〔広い野原の中央, の意〕(1)中国の黄河中流域を中心とした地域。 殷(イン)・周など中国古代文明の発祥地。 のち, 漢民族の発展に伴い, 華北一帯をさすようになる。(2)(辺境や蛮国に対して)天下の中央の地。(3)覇権を争う場。 また, 競争の場。(4)碁盤の, 隅・辺を除いた天元周辺の広いところ。~に鹿(シカ)を逐(オ)う〔魏徴の詩「述懐」による。 「鹿」は帝位の意〕(1)天下の中央で帝王の位を得ようと争う。 逐鹿(チクロク)。(2)多くの人が地位や政権を争う。IIIちゅうげん【中言】(1)両者の中間にあって, 両方に相手を悪く言うこと。 なかごと。 なかぐち。
「このこと誰か~したりけむ/十訓 4」
(2)人の談話に割り込むこと。IV「御~ではござりやすが…/滑稽本・続々膝栗毛」
ちゅうげん【中間】※一※ (名)(1)二つの物事のあいだ。 あいだ。 ちゅうかん。「彼の両国の~に舎衛国有り/今昔 5」
(2)〔仏〕 二つのものの間。 有と無の間, 前仏と後仏の間など。→ 中間禅→ 二仏中間(3)(「仲間」とも書く)武家の奉公人の一部をさす呼称。 その起源は鎌倉時代にさかのぼるが, 近世に入ると足軽・小者の中間に位置する雑卒として幕府・諸藩の職制に組み込まれ, 城門の警固や行列の供回りなどに使役された。 中間男。※二※ (形動ナリ)中途半端なさま。 どっちつかず。V「いと事の外なることどもの, もし聞えあらば~になりぬべき身なめり/源氏(真木柱)」
ちゅうげん【忠言】まごころをこめていさめること。 忠告の言葉。「臣下の~に従う」
~耳に逆(サカ)らう〔史記(淮南王伝)〕忠告の言葉は, とかく聞く人の感情を害して受け入れられにくい。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.